彩度と退色と、夏の四駆。

 

散歩の途中、ふと目に留まったのは、古めの四輪駆動車。
退色し、どこかくたびれているのに、夏の青空の下でしっくりと馴染んで見えます。
こういう車を見つけると、ついカメラを向けたくなります。

ふと思い出したのはキューバの風景。
旧車天国として知られるキューバでは、クラシックカーが今も現役で走っているとのこと。
『ゴッドファーザー3』や『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』にも、そんな車たちがわんさか登場。

彩度が高いのに、発色はどこか柔らかい。
明るくて、でも力強すぎない。
そんな独特の色調が、車にも街にも、そして空気全体にも感じられます。
行ったことはないのに、なぜか郷愁を感じさせる国。

僕はといえば、旧車を操る技術もなければ、家族を乗せる日常においては安全性が第一。
結果、普通のファミリーカーに乗っていますがその中にほんの少しだけの反抗心というか、
憧れの残り火というか、そんな気持ちも込めて、赤の四駆に乗っています。
早くこの赤色褪せろ、と思いながら。

大学時代、何の背景も知らずにお洒落感覚でゲバラのTシャツを着ていたことを思い出すと、
ちょっと恥ずかしくなりますが……。

一生に一度、最後に行くならどの国? と聞かれたら、キューバと答える気がします。

そんな妄想を綴っていたら、夏の日差しとともに、これまた文学青年を気取っていた
痛い時代のヘミングウェイの小説の記憶が蘇ってきました。

──やっぱり、夏はモヒートですね。

Kosoko

 

 


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