仕事終わりたまにに寄る、新宿街外れの小さな音楽バー。
先日、カウンターに見慣れないアブサンの瓶。
オーナーがペルノと間違えて仕入れてしまったのだそう。
隣に座っていたフランス人が「試してみたら?」と。
普段は選ばない、外ならではの体験。
口に含むと、鋭い感覚。
視界はF値の低い単焦点レンズのように浅くなり、
合うところだけが、くっきりと浮かび上がってきます。
ベル・エポックの芸術家たちが愛した癖者の液体。
調度いま、東京駅で藤田嗣治の展覧会が開かれており、
彼が過ごしたパリの空気とも、どこかでつながる気がします。
合わせて、かつて訪れたフランスの記憶が薄らと蘇ってきました。
何気ない寄り道が、思わぬ文化や記憶につながることも。
たまには、こういう時間も良いものです。
Kosoko