「ニチヨル」 Vol7 – 街は美術館 –


 

自転車のデザインが好きだ。
スポーツギアとしての自転車ではなく、街のオブジェ・造形物としての自転車のこと。
ヴィンテージやクラシックなものからハイテクなものまでジャンルは問わない。
街で素敵な自転車を見つけるとふと足を止めてしまう。

これほど機能美という言葉がしっくりくるものはないだろう。
基本的に丸と三角のみで構成されていて、これ以上足すものも引くものも無い。
何世紀もの時を経て完成された無駄のないデザインだ。

街にある無数の自転車をじっくりと観察してみると、
その中でもとりわけ目を引く素敵なものに出会うことがある。

さてそれらは他の自転車と何が違うのかと考えてみる。
要素としては主にカラー、素材の質感、フレームの細さと配置、の3つがある。
なによりも大事なのはこの3つを統合した時のバランス感だろう。
そしてシンプルなだけでなくどこかに個性もある。これも重要。

これって洋服も同じだよなと感じる。
カラー、素材の質感、デザインとパターン、と構成要素はかなり近いものがある。
無論これらのバランス感がとても大事という点でも一緒である。

ここまで書いてみて、洋服と自転車についてふと思い浮かんだことがある。
毎年、年に2回旅行業界の仕事で東京に来るたび買い物に寄ってくれる
ロンドン在住のイタリア人のステファノというお客さん。
洋服が大好きである。特に素材とシルエットにかなりのこだわりがある。
彼がまた無類の自転車好きである。本気アスリート系では無く、僕同様に単なる自転車のデザイン好きである。
愛車は英国のブロンプトン。そこはイタリアメーカーだろと心の中でもつっこみつつも、自転車話に花が咲く。
やはり服好きの感覚がそのまま自転車の好みに反映されているのだろう。

 

自転車のデザインを街で観察するのは美術館にいるような感覚でとても楽しい。
そしてまた、これに乗っている人はこんな服をきているのだろうとか勝手に想像するのがまた楽しい。


「ニチヨル」 :
日曜夜のリラックスブログ。
普段の商品紹介からちょっと離れ、FENEST的「好きなもの」を自由に綴ってます。
だいたい僕店主Kが書いていますが、たまにゲストも登場するかもです。