
OPEN30分前、準備をしているとドアをノックする音。
急いで開店準備を整え、扉を開ける。
海外からのお客様のようです。
挨拶を交わすと早々に、靴コーナーへ。
棚の前で立ち止まり、手に取り、戻し、また見る。
サイズをお出ししましょうか、と声をかけると、
「いえ、これ、うちの会社の靴なんです」と返ってきました。
二人はKLEMANを手がけているCLEON社の二代目と三代目。
約80年にわたり靴づくりを続けてきた会社で、
工場はいまも、ナントにほど近いフランス西部の小さな街にあります。
作り手として見る視点と、選ぶ側として見る視点。
似ているようで、少し異なる選択基準。
その間にある判断について、互いに必要な言葉を交わしました。
二人が去ったあと、
年末は、意外な出会いがあるものだなと、
一人、そんなことを考えていました。
